【レポート】1/11俳優・声優「台詞の発声」チェック&ワークショップ

先日開催いたしました、1/11俳優・声優向け「台詞の発声」チェック&ワークショップの様子をレポートします。

講師:磯貝靖洋 館林敦士
助手:酒井真理子 川本千晴

今年新たに始まった企画『俳優・声優のためのワークショップ』
第1回目のテーマは『台詞の発声』でした。

午前の部 ≪チェック≫
テキストを使い各個人の現状をチェック(呼吸・ことば)
開校式

午後の部 ≪ワークショップ≫
①IM身体法
②2人1組でテキストを使い台詞を読む
(テキスト 「銀河鉄道の夜」)

〔内容〕
まず初めに、磯貝先生から参加者の方に「声優(ヴォーカルアクター)の読む台詞と
俳優(舞台俳優)の読む台詞は何が違うか」という問いが出されました。
次いで「逆に、共通することは何か」という問いが出されました。
この時に、参加者の皆さんにはまず、自分がどちらの立場で参加しているのか?
という意識を持っていただきました。
『書いてあるものを声で表現する』という共通の中で、各々の立場で台詞を発し、
他のメンバーの発する台詞に耳を傾けましょう。という所からはじまりました。
ここに今回、あえて俳優と声優とを分けずに
一緒にワークショップを行うという意味が込められていました。

参加者の皆さんが、声優とは。俳優とは。という意識が出来たところで、
はじめて台詞についての話し合いがされました。
・「台詞には必ず相手がいる」相手に伝えるために自分が何をするべきか?
・「台詞は説明できない。書いてある文字で完結させなければいけない」
・「文字で書いてあるものから文字で書いていないものをつくりあげられるか」
 今、何時?今、何歳?今どこにいる?具体的に決めること
・「書いてある文字を正しく読む」

☆台詞で重要なのは相手の台詞を聞くこと(受け止めること)
☆必ず、原因があるから台詞になる。そこから気持ちがあらわれる
☆台詞というのは架空の物語でも、ちゃんと生きて生活しているか?
 衣・食・住を想像すること
☆いかに単純にそのままイキイキと伝えられるかが重要
 (誰が聞いても誰が見てもわかる台詞にすること)

また実践の中では、一呼吸の使い方の重要性。
日本人が苦手な「シ・ス・セ」の克服法などのアドバイスなどもありました。

WS2

〔感想〕
参加者の皆さんからもたくさん感想として出ていた言葉『単純化させる』ということ。
今回、実践をするときのテーマとしても掲げられましたが、
磯貝メソッドでいう「単純化させる」とは、「ただわかりやすく」とか、
「複雑に考えない」とは少し意味合いが違います。
少し前の私なら、つい「感覚的な単純化」をしていたと思いますが、
「深く掘り下げた中から余分なものをすべて排除していく」ということだと思います。
これこそ文字では表しにくいことですが、本当の意味での単純化が出来るようになると、
台詞を言うのが本当に楽しくなるなと思いました。

磯貝先生からの総評の中には『息(エネルギー)が低い』との言葉もありました。
これは、現代日本人の多くの方にいえることだと感じてますが、
特に俳優・声優として、誰かにHappyを伝えることをしようとしている私たちには、
特に重要なことだと思いました。


次回は台詞の活舌について行います!

2/14俳優・声優向け「台詞の活舌」 チェック&ワークショップ
チェーホフの戯曲『櫻の園』をつかって、活舌について学びます!!
言葉はきちんと相手に届かなければ意味がありません。
届く言葉。伝わる言葉のためにも、この機会に活舌について学びましょう。
「アントン・パーブロヴィチ・チェーホフ」
これだけでも上手く言えないという方いらっしゃいませんか?

ぜひ多くの方のご参加をお待ちしております。


20160111
文責:川本千晴