講座レポート 5月22日 「聴き方・耳トレ(木曜)」

『母音の響きを骨で捉える』
「全身さすり」で心身の緊張を緩め、「手のワーク」で集中力を高めた後、母音トレーニングです。各々の氏名の母音読みに全員で取り組みます。力んだ身体からは響く声は生まれません。また、息が流れなければ響きません。トレーニングを進めるうちに、徐々に骨に響く感覚を掴み、仲間と声を合わせる事で、更に響きが増幅されて心地よく感じました。
講座の最後には、谷川俊太郎作の「うしのうしろ」に挑戦しました。ウ音が沢山出てくる詩でしたが、母音が整い、柔らかく暖かみのある音声で、スムーズな流れで読むことができました。
 
『今日の耳トレ語録』
・「苦手・出来ない」の意識を、「得意・出来る」に変換する。
 
 
文:井上慶子


講座レポート 5月3日 「平家物語」

『今日の平家物語』
「阿古屋之松」
成親は児島に流され、子の成経も備中国に流された。成経は父を案じ、児島(備前)と備中の距離を尋ねたが、十二、三日も掛かると言う。かつて、藤原実方が阿古屋之松を訪れた時、陸奥が陸奥・出羽に分離していたことを思い出し、備前・備中も昔は一国だったから近いはずと感じたが何も言えない。
 
『母音を整える』
「阿古屋之松」の母音(あおあおあう)を整えます。受ける人が聴きやすい、美しい響きの母音を追求しました。ひとりひとりの身体が違うように、口の中や舌も違うので、其々の修正・矯正が必要です。丁寧な調整の後の詠みは、音の粒が揃い、音の透明度が増し、心地よい響きとなりました。日頃から、緻密な練習をしたいと感ずる講座でした。 
 
 
文:井上慶子

 


【レポート】4/10俳優・声優「台詞の声*間と距離と表情」チェック&ワークショップ

先日開催いたしました、4/10俳優・声優向け「台詞の声*間と距離」 チェック&ワークショップの様子をレポートします。

講師:磯貝靖洋 館林敦士
助手:蔭山佑次 益田喜晴 竹元恵美子

今回はこのシリーズ4回目、テーマは「間と距離」でした。

○午前の部 ≪チェック≫
テキストを使い各個人の現状をチェック

○午後の部 ≪ワークショップ≫
①IM身体法
②テキストを用いて台詞を実際に声に出して練習
(テキスト 三島由紀夫「近代能楽集より“葵上”」)

【講座内容】
・参加者それぞれの現状を、テキストを声に出してよむことでチェックをする。
そして、午後のテキスト「葵上」を声に出して練習するときに、一人一人どこに注意して取り組めばよいかアドバイスがされた。

・IM身体法で声を出す身体にセットアップする。

・続いて三島由紀夫の作品についての講義。
「実と虚」を行き来する作品には自分との距離が必要である。その為にも「私読み」をしないことが大切である。

・テキスト練習。
男女ペアになって掛け合いをする。お互いどう感じたか感想を言い合いながら練習を続ける。

・テキスト発表会。
最後に、今回練習した台詞の掛け合いをペアで行う。


【参加者の声】
・外から出す台詞という感覚が初めてわかった!
・自分の課題がはっきりわかった!
・わからなくなった・・。

【担当助手感想】
俳優・声優の台詞の声シリーズの最終回であったので、磯貝メソッドが初めての方には少し難しいと感じる講座内容であったかも知れませんが、声に特化した磯貝メソッドの経験がある人には、逆に「なるほどな」と実感できる講座内容であったように思います。
「自分の想いを出すのが台詞ではない」ということを改めて実感しました。
今回のシリーズは午前中、参加者一人一人の「声・ことばチェックとアドバイス」が行われ、自分の特徴、課題を理解した上で台詞読みに入っていくという贅沢なワークショップでした。「自分の声を知る」ということは、俳優・声優、声の仕事に関わるものにとって、とても重要なことです。磯貝メソッドでは、ボイスチェックを年に数回行っています。興味がある方はそちらの方にも是非、ご参加ください。「目から鱗」です・・・。

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1月から4回にわたって行いましたチェック&ワークショップはひとまず終了いたしますが、7月から月1回日曜日に始まります月1芸能表現クラスでは、7/10,8/14 の2回で「狂言」を学びます。


20160420
文責:竹元恵美子

 


【レポート】3/21俳優・声優「台詞の声*感情と表情」チェック&ワークショップ

先日開催いたしました、3/21俳優・声優向け「台詞の声*感情と表情」 チェック&ワークショップの様子をレポートします。

講師:磯貝靖洋 館林敦士
助手:蔭山佑次 佐藤昌裕 益田喜晴 竹元恵美子

今回はこのシリーズ3回目、テーマは「感情と表情」でした。

○午前の部 ≪チェック≫
テキストを使い各個人の現状をチェック

○午後の部 ≪ワークショップ≫
①IM身体法
②テキストを用いて台詞を実際に声に出して練習
(テキスト「シェイクスピア:ハムレット」)

【講座内容】
・参加者それぞれの現状を、テキストを声に出してよむことでチェックをする。
そして、午後のテキスト「ハムレット」を声に出して練習するときに、一人一人どこに注意して取り組めばよいかアドバイスがされた。

・IM身体法で声を出す身体にセットアップする。

・続いて感情と表情についての講義。
身体と感情と声はつながっている。つまり、身体を動かして準備することは感情を動かす準備をしているということになる。

・テキスト練習。
男女ペアになって掛け合いをする。相手が何歳と感じたかを言い合う。顔には表情があり、感情が表れる。鏡の前に立ち、表情(喜び・怒り・心配)の練習をする。自分で感情を決めると、声も表情も自然と変わり、周りの人に影響を与える。ペアを変え、様々な感情でお互いが影響し合いながらテキスト練習を行う。

・テキスト発表会。
最後に、今回練習した台詞の掛け合いをペアで行う。


【参加者の声】
・声に表情があることが新鮮だった!
・次から次へと起る感情の速度にやられた!
・同じ人の同じ台詞でも、感情が変わるだけで別人になるなんてすごい!

【担当助手感想】
台詞のワークショップというと、与えられたテキストをどう自分流に声に出していくかが主流ですが、午前中一人一人の声・ことばチェックを行い、客観的かつ科学的にアプローチして台詞の練習に入るというところが磯貝メソッドの大きな特徴であると感じました。だからこそ、午後のテキスト練習がより効果的に行われるのだと確信しました。
身体の感覚、感情、表情、声の密接な関係が深く実感できる講座でした。

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次回は台詞の声*間と距離、三島由紀夫作「近代能楽集より“葵上”」からです。

4/10俳優・声優向け「台詞の声*間と距離」 チェック&ワークショップ
磯貝メソッドのワークショップ、次回はどんな新たな発見があるかとても楽しみです。

声・ことばチェックも受けられる台詞のワークショップ。是非ご参加ください!!
・・・お待ちしております。


20160321
文責:竹元恵美子

 


【レポート】2/14俳優・声優「台詞の活舌」チェック&ワークショップ

先日開催いたしました、2/14俳優・声優向け「台詞の活舌」チェック&ワークショップの様子をレポートします。

講師:磯貝靖洋 館林敦士
助手:川本千晴 益田喜晴 河崎卓也 戸村健作 出先拓也

1月の第1回に引き続き開催されました、『俳優・声優のためのワークショップ』
第2回のテーマは『台詞の活舌』でした。

○午前の部 ≪チェック≫
テキストを使い各個人の現状をチェック

○午後の部 ≪ワークショップ≫
①IM身体法
②男女に別れ、テキストを用いて台詞を実際に声に出して練習
(テキスト「チェーホフ:桜の園」)

【講座内容】
参加者それぞれの現状をチェック。それぞれの現場や専門に合わせて、細かい所見が出された。
今回のワークショップではあくまでも“台詞における活舌”を重視。つまり、あくまでも違う人間(役)における言葉である。
読まずにしゃべれるようになることを目指す。
口しゃべりではなく、喉でしゃべる→これを発声法という。

・呼吸練習
鼻から息を吸い上げる練習。
吸った息を細く、自分の前2m先まで飛ばす練習。
一気に短く吸って、真っ直ぐ前に短く飛ばす練習。

・核母音調音練習
鏡を見て、縦口の練習。
“イ・エ・ア・オ・ウ”それぞれの調音点を説明。

・テキスト朗読
喉の音をしっかりと鳴らすこと、お腹を使ってしっかり息を吹き上げること。
とにかく言葉を全て外に作ること。
本に向かって言葉を出すと読んでいるだけになる。
真っ直ぐ前に対象(相手)を作り、そこに向かってしゃべる。
台詞というのは自分のいつもの自然ではできない、不自然でいやらしいものである。
それをいかにいやらしくなく聴かせるかというのが技術。
絶対に対象は消さないこと。
喉の実感をつけ、支えを保っていられるように鍛える。

・テキスト発表会
最後にひとりひとりが今回練習した台詞を全員の前で発表した。


【参加者の声】
・自分の姿をよく見て練習したい。意識しすぎの部分があったので、落とし込んでいきたい。
・家で練習するにあたって、持ち帰れるものを多く得られた。
・息が多く、意識が強すぎて早くなってしまった。喉で聴くことを意識したい。

【担当助手感想】
言葉も表現もとにかく全てを外に作ることの重要性を感じる講座でした。
まずは最初から最後まで全てを外に出しきれるだけのエネルギーをつけることが全員に共通するテーマだと感じました。

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次回は台詞の声*感情と表情について行います!

3/21俳優・声優向け「台詞の声*感情と表情」 チェック&ワークショップ
W.シェイクスピアの戯曲『ハムレット』をつかって、感情と表情について学びます!!
ぜひ多くの方のご参加をお待ちしております。


20160214
文責:出先拓也